衝撃のマンガ 少年は荒野をめざす‐吉野朔実‐

わたしはこれまでに多分、日本人の平均よりはたくさんのマンガを読んできました。
いつも、それらのマンガに対して面白い、感動的、恐い等など、様々な気持ちを持ちます。
それがどんな方向性であれ、心の揺さぶられ度合いが強くなると、「衝撃を受けた」という表現が過言じゃなくなります。
ということで、過去に衝撃を受けたマンガたちを紹介してみようかなと思っています。
単純に、この記事を読んだ人がそれらのマンガに興味を持ってもらえたら嬉しいなって。
今回、紹介するのは、懐かしのマンガ雑誌ぶ~けにて1985年より連載されていた吉野朔実さんによる「少年は荒野をめざす」です。
単行本は全6巻発売されました。現在は文庫版全4巻にて読むことが可能です。
ぶ~けを代表する漫画家さんの一人です。
十代中盤の男女の心の葛藤、簡単に言えば思春期の気持ちを描いた作品です。
ありがちですが「自分探しの日々」という言葉がぴんと来るでしょう。
とここまで書くと、少女漫画にありがち、と思われそうですね。
この作品のなにが衝撃的かと言うと、それは吉野さんの作品全体に当てはまることなのですが、心理描写の深みです。
ここまで気持ちを深く巧みに描いたマンガをわたしは他に知りません。
文学作品を読んでいるときの気持ちに近いものを得られます。
「じゃあ、文学作品でよいじゃないか」という意見が飛んできそうですね。
その意見、納得できます。上手に反論することはできません。
でも、この作品を読んでみたとき、少なくともわたしは(そしてきっと多くの人が)、同等の内容を「文学」や「映画」で表現したならもっと素晴らしくなるだろうなんて思わなかったです。
それはおそらく、この作品が「心理描写」に偏った内容ではないからでしょう。
マンガという手法でしか描けないであろう青春時代の無邪気さも本作の強い魅力です。
ネガティブさがない作品とは言えないですが……人の温かみを強く感じさせてくれます。
また、この作品、タイトルがめちゃくちゃ好きです。
「少年は荒野をめざす」内容にとても合致しており、また、どんな話なのか想像力をかきたてられ、作品に興味を持たせるという役割も果たしています。
興味を持った方、ぜひ読んでみてくださいね。