六次の隔たり

| カテゴリ:学問

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某お昼の定番バラエティ番組の某電話衝撃コーナーを見ていて、先週の月曜日にお笑い芸人Aだったのにその友達をたどって今週の月曜日に超美人女優Bだったりすると「へえ、Aさんの友達をたどったら一週間でBさんになっちゃったよ。驚き」なんて思っちゃうわけですよ。「どうせこの友達ってテレビ局が決めてるんでしょう」って思う人の方が多い気もしますが……。
けれど、この「お笑い芸人Aさんからお友達を五人たどったらまったく繋がりがなさそうさ女優のBさんだった」という状況、おそらく確率論的にはそんなに驚くべきことではないんです(驚きは人生の大事な調味料なので、なんにでも素直に驚けることは素晴らしいですけれど)。
「直射日光が苦手なインドア派で携帯のメモリーに三件しか登録していないC君が実は人気アイドル歌手Dちゃんの恋人でしかも亭主関白」とかいう状況はさすがに驚きに値するでしょうが。

前振りが長くなりましたが、つい先日、六次の隔たりという言葉を初めて知りました(二度目に知りましたって言うことあるのかしら)。
簡単に説明しますと「知り合いの知り合い、そのさらに知り合い……と辿っていった場合、六人ぐらい辿った時点で世界中のだいたいの人を網羅できる」という仮説です。
mixi等に代表されるSNSはこの仮説が元になっているという話を聞いたことがあります。本当かどうかはわからないですが。

たとえば、わたしに50人の友達がいるとします。そして、その友達にまたそれぞれ50人の友達がいるとします。
友達の友達の数(2次目)は 50×50=2500 となるわけです(ただし友達が重ならないと仮定してですが)。
さらに、友達の友達にも50人の友達がいるとなると(3次目) 2500×50=125000となります。
次(4次目)は125000×50=6250000、次(5次目)は6250000×50=312500000、そしてさらに次(6次目)には312500000×50=15625000000となり、世界の人口(約66億)を上回ります。
まあ、実際にはこんな単純な数式で表せるものではもちろんないですが、少しは六次の隔たりという仮説が身近に思えましたでしょうか。

六次の隔たりに関連した実験としては、超有名心理学者スタンレー・ミルグラム氏のスモールワールド実験が代表的なものとして挙げられます。
どんな実験かというと……

まず、ある人物への手紙を用意する。
手紙を不特定多数の人間に渡す。ただし、その際、以下の二つの指示をする。
「この人物を知っている場合は手紙をその人に渡してください」
「この人物を知らない場合はこの人物を知っていそうな人に手紙を渡してください」
その人物まで手紙が辿りつく間に経た人数の平均を求める

ただし、この実験結果は人間の繋がりの度合いについて、なんらかの確証を得るほどのものではなかったです。
たとえ知り合いだとしても手紙を渡す手間が煩わしいからやめる、なんてことがかなりあるでしょうし。

六次の隔たりという言葉そのものは脚本家のジョン・グエアさんという方の戯曲「Six Degrees of Separation」が元だそうです。
また、考え方そのものは、スタンレー・ミルグラム氏のスモールワールド実験(1967年)よりもさらに前(1929年)にカリンティ・フリジェシュという作家さんの「鎖」という短編の中に登場するそうです。

「世界のほとんどの人に対して平均五人の知り合いを介することで到達できる」
という六次の隔たりが正しいにせよ誤っているにせよ(現在は正しいという確証も間違っているという確証もないみたいです)、なんだか、世界中の人と身近であると考えると、そこに様々な可能性が転がっている感じがして胸高鳴ります。

Wikipedia スモール・ワールド現象
Wikipedia スタンレー・ミルグラム
Wikipedia(English) John Guare(ジョン・グエア)
Wikipedia カリンティ・フリジェシュ
うすた京介 公式個人サイト めくるめけ日々
Wikipedia 国務大臣
ORANGE RANGE OFFICIAL WEB SITE
Hello! Project -Official Site-
AKB48公式サイト


   

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