単位の話 前編-国際単位系(SI)-

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学生時代、単位の基本は国際単位系基本単位の七つであるという講義を受けたことがあります。
長さのm(メートル)、質量のkg(キログラム)、時間のs(秒)、電流のA(アンペア)、熱力学温度のK(ケルビン)、物質量のmol(モル)、光度のcd(カンデラ)の七つです。
国際単位系という名前の通り、国際的に通用する単位群です。
この七つが最初にあり、その他補助単位等が存在します。

習った内容をそのまま覚え、単位についてさらに深く学ぼうとすることなく生きてきました。
そんなわたし、この国際単位系について、恥ずかしながら最近になってとある事実を知ったのです。
正確には、その事実を知識として持ってはいたものの、なんの疑問も抱かず生きてきたというべきでしょうか。

その事実についてお話しする前に、国際単位系についてもう少し説明します。

さきほど紹介した単位の七つのうちのほとんどが普遍的な物理法則によって定義されています。
たとえば、秒については「セシウム133原子の基底状態の二つの超微細準位の間の遷移に対応する放射の周期の9192631770倍の継続時間」という定義がされています。
多くの方にとっては意味不明な定義でしょう。
でも、曖昧で変化があるような定義では、後々大問題が起こりえます。
だって、社会は単位を基準に動いているのですから。
もしも今日から1cmの長さの基準が変わったとしたらと想像してみてください。
今の1cmが明日から2cmの扱いになったとしたらって。
かなりの混乱が世界を包むだろうことが想像できるのではないでしょうか。

この国際単位系についてのわたしにとっての新事実というのが、kgだけは物理法則による定義がされていないということです。
学生時代にも聞いた話ですが、深く考えていなくて、よくよく考えてみるとびっくりな事実だなと。
キログラムは現在「国際キログラム原器の質量」と定義されています。
ちなみに国際キログラム原器というのはフランスに保管されている円柱です。プラチナとイリジウムでできています。
つまり、壊れるものです。
もしかしたら突然消失してしまうことだってありえます。
消失したらどうなるかって言いますと、世界中における重さの概念がなくなる……ってことはさすがにないか。
実際には、「そんな最悪の事態」を学者の方々も想定しているでしょうから、なるべく混乱が少ないような手を打つとは思います。
国際キログラム原器の複製品が国々に配布されているから、それを使ったりするのでしょうかね、そういう事態では?
ただ、複製品とオリジナルの重さが完全に同じだという保証があるわけではなく、というか重さは厳密には違うでしょうし……。
消えるや壊れるという事態まで行かないとしても、物質である以上、磨耗するだろうし……。
と、なんだか心配(妄想)してしまうのです。

そして、わたしなんかよりも何十倍も何メガ倍も何ヨタ倍も学者の方々が心配しているわけで、キログラムの物理法則による定義は議論中だそうです。

独立行政法人産業技術総合研究所 計量標準総合センター 国際単位系(SI)
Wikipedia 単位
Wikipedia 国際単位系

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