原美術館訪問(ヘンリー・ダーガー 少女たちの戦いの物語-夢の楽園の物語)

| カテゴリ:クリエイターイベント | トラックバック(1)

20070508.jpg

昨年12月、このblogにて銀座線外苑前駅の近くにあるワタリウム美術館についての記事を書きました。
その際、過去の展示としてヘンリーダーガーという方を紹介いたしました。

2006年12月25日の記事

児童施設にて少年期を過ごし、17歳でその施設を脱走後は清掃等の仕事をしながら過ごしました。
ほとんど人とコミュニケーションをとることなく、一人で暮らし続けたそうです。
81歳でヘンリーダーガーは亡くなり、死後、彼の部屋に入った大家はそこに膨大な物語と絵画を発見します(全15000ページ超の大長編)。
「非現実の王国として知られる地における、ヴィヴィアン・ガールズの物語、子ども奴隷の反乱に起因するグランデコ・アンジェリニアン戦争の嵐の物語」
彼が誰にも知られることなく創作し続けた、邪悪な大人たちに戦いを挑む純粋な少女たちの物語は、他に類を見ない個性と力を持っていました。
現在、世界中の美術館で展示会が行われているようです。

4月14日から7月16日まで、北品川にある原美術館(緑に囲まれた、静かな雰囲気がとても心地良い美術館でございます)にてヘンリーダーガー展「ヘンリー・ダーガー 少女たちの戦いの物語-夢の楽園の物語」が行われていると知り、先日、見に行ってまいりました。
初めて実物の作品を目にしたのですが、その作品が秘めるパワーには圧倒されました。
彼が全人生をかけてつむぎ続けたストーリーは、きっと彼の人生の大半を注ぎ込んでいて、技術だとかそういう次元ではない魅力を感じさせます。

創作を続けた部屋の写真も展示されていました。
彼の部屋には自身が描いた少女のイラストがまるで家族写真のように飾られ、日記から察すると彼女たちの存在はまさしく彼にとっての現実だったのだと感じさせられます。
わたしたちからすれば「妄想に人生を捧げた人」かもしれないですが、彼にとっては「妄想こそが現実」だったのかもしれない。

作品の魅力はもちろんですが、ヘンリーダーガーという人間そのものにも強く惹きつけられます。
最後は老人施設にて、それまでの自室とは(人についても物についても)まったく異なる環境に怯えながら亡くなっていったそうです。
彼の瞳にはなにが見えていたのでしょう。
彼は作品がこのように世に出ることを望んでいたのでしょうか。
大事な作品たちだからこそ、多くの人の目に触れさせてあげたかったかもしれない。
大事な作品たちだからこそ、自分の中だけにとどめておきたかったのかもしれない。
作品が発見されたのが彼の死後のため、真実を知る術はもうおそらくないのでしょう。

彼の気持ちはわからないですが、今、彼の作品には確かな命を感じます。

Hara Museum Web
Wikipedia ヘンリー・ダーガー
CARL HAMMER GALLERY(ヘンリーダーガーイラスト集)


  

トラックバック(1)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 原美術館訪問(ヘンリー・ダーガー 少女たちの戦いの物語-夢の楽園の物語)

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.aoharu-b.sakura.ne.jp/cgi/blog/mt-tb.cgi/1081

» アートではイベントも!(デザインはアートやインテリア、グラッフィク デコ電デザイン!!)~のトラックバック

デザインアートでは、空間も大事な要素で、そこから造形も見てイベントやギャラリーで... 続きを読む

概要

青春B運営メンバー多口カタンによる雑記blogです。
自己紹介はこちら。開発物をまとめたものはこちら
 
ヘッダーイラストはkojiさん制作です。
感想・意見・要望等ありましたら気軽にフォームにてコンタクトくださいませ。
 
Twitterはじめましたので誰でも気軽に声かけてくださいね。