英語学習、はじめの200時間(TOEIC700点レベルまで)
はてな匿名ダイアリーの社会人のための本気の英語学習法という記事がはてなブックマーク上で注目されています。
英語を勉強したいと思いつつできない社会人の方々へこういう手順で勉強しようと指南している良記事です。
こちらの記事を読んで、思ったのが
「そういえば私、自分の英語の勉強記録は公開しているけれど、筋道立てた記事をあまり書いていない」
なと(多少、意図的ではあるのですが)。
ということで、これから英語の勉強をしようと思っている方々向けに勉強の進め方をまとめてみることにしました(ほぼこれまで掲載してきた内容の焼き直しです)。
私がもしも知り合いから「どんな風に勉強すればいいかな」と尋ねられたならこうアドバイスするだろうなというものです。
私の実体験に基づいた進め方です。
きっちりこの順番で進めないといけないというものではないです、もちろん。
適宜進んだり戻ったりしましょう。
1日1時間ずつ勉強して半年程度で終わるぐらいの内容となっています。
目標到達点はTOEIC700点〜800点、日常会話をつたなくもこなせるレベルの英会話力。
各見出しの()内に必要勉強時間を書いています。
学習能力には個人差があるので、時間によって身につける英語力は人によってかなり差があるでしょう。
まずはさらっと英語を学習したいという目的であれば、あまり考えすぎず決めた時間を消化したら先に進んでいくのがいいかなと思います。
これはその人の性格にもよるので一概に言えませんが。
当blogの英語学習に関する記事の一覧はこちらです(随時更新していますのでぜひ合わせてご参照を)。
0.対象者
以下のような方を対象とした記事です。
英語を主としてご飯を食べていきたいという人向けではなく、とりあえず英語ってどんなものかをざっと知りたい、身につけたいと思っている人向けの記事です。
大学受験含め英語の勉強に真剣に取り組んだことがない方を対象としているのは、私がそうだからです。
私、大学受験のための勉強の経験が高校の授業以外でないので、どういった内容なのか、どういったレベルなのかいまいちよくわかっていないんです。
1.発音(4時間〜5時間)
まず最初におおまかにでかまわないので発音の学習をすることをお勧めします。
スピーキングの能力を必要としていないとしてもです。
どういった音の種類があるのかを知らないとリスニング学習の効率ががくっと落ちます。
rとl、sとth、sとshといった音の違いを知らないと勉強しんどいです。
リーディングにしてもスペルを覚えづらいです。
細かな部分は気にしなくてもいいから、まだ身につけられなくてもいいから、とにかくどういった音の種類があるかだけざっと知っておきます。
私が発音学習にてメインとして使った書籍は英語の発音がよくなる本です。
通しで4時間〜5時間程度の短時間でもいいと思います。
単語を覚えなくてもいいので、とにかく
「ああ、こういった音の種類があるのだな。こういう口の形をしているのだな」
ということだけでも心に留めておく。
2.文法(20時間〜30時間)
文法は大事です。本当に大事です。
でも、ここでがんばりすぎると英語の面白さを知る前にばてます。
ばてない自信がある人はここで100時間でも200時間でも文法やればいいと思いますが、自信がない人はここもさらっと流しましょう。
私がまず文法学習として使ったのはTOEICテストこれ1冊で全パートをモノにする―500点~860点突破のための解法テク&実戦問題という本です。
(後日、別の書籍も使っています。この本だけではさらに上の実力を身につけるためには不充分だったので)。
この本の第5章の解法テクだけやります。
私の持っている第13刷ではP100〜P169の70ページだけ、しかも、文字大きいです。
知らない単語が出てきてもあまり気にせず、あまり暗記にこだわりすぎず、ルールにどういったものがあるのかだけをつかんでいきましょう。
細かな文法は後から身につけてもいいわけですし。
もしもこの本の文法解説で難しいようであれば、高校受験用の参考書をなにか一冊やりましょう。
3.英語慣れ(50時間〜60時間)
次に、英語に触れて英語慣れします。
同時に簡単な単語もここで身につけていきたい。
ここで英語に慣れておかずに単語の学習に進むと、多分、しんどいです。
長文はこの段階ではまだハードルが高いかもしれません。
なので、ひたすら短文に触れます。
お勧めはsmart.fmという学習サイト。
まずは!TOEIC基礎シリーズというコースが難易度それほど高くないので良いかと思います。
約800個の単語が登録されています。
あと、TOEICを受ける予定の方は5カ国英語聞き取りパーフェクト攻略!もお勧めです。
アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドの5カ国の発音に触れられます。
本当にただ触れられる程度ではあるのですが、アメリカ発音にだけ慣れていると、本番の試験会場であまりの聴き取れなさにびっくりしてしまうので、そのための心の準備。
smart.fmというサイトにはiKnow!という学習アプリケーションが用意されていて、これが非常によくできています。
ただ、各コース完了までの道のりが果てしなく長いですし、今はざっと英語に慣れることが目的なので、ある程度進めたら次に進んじゃいましょう。
またここに戻ってきてもいいわけですから。
注意点として、学習するとき、品詞がなにであるかは意識しておきましょう。
動詞か、形容詞か、副詞か、名詞か……。
4.単語(40〜50時間)
ここまで来てやっと単語の学習です。
正直、ある程度の単語が掲載されていれば本にはそれほどこだわらなくてもいいかなと思っています。
ただ、耳でも英語に触れるために、CD付きの教材にしましょう。
有名どころですとDUO 3.0でしょうか(CD別売りです)。私は読んだことないですが。
私が使ったのはTOEIC TEST 英単語 スピード マスターという本です。
長文リスニングの練習にもなりそうだったので(といっても、各30秒程度)。
単語勉強のコツとしては、根を詰めすぎないこと。
どうせ人間なんて覚えたことの半分は一時間で忘れていく生き物なんですよ。
がんばって一度に覚えようとするよりは、長く続けましょう。
この40〜50時間という時間は、とりあえず頻出単語を記憶に残す程度です。
多分、50時間かけても3分の1も覚えられないのではないかと思います。そんなものだと割り切りましょう。
ある程度覚えたら次の段階に行きましょう。
頻出単語以外は後で覚えればいいんですよ。
私はCDを聴いて例文を口に出してをずっと繰り返しています。
今でも繰り返しています。
「Level1の動詞を3回繰り返したら次はLevel2の動詞を3回……」
みたいな感じに。
覚えきれなくても次に次に進めました。
で、また一ヵ月ぐらいしたら戻ってくると。
5.交流(お好みで)
ここまで来ると(あるいはこれよりも早い段階で)実際に英語を使って交流してみたくなると思います。
で、言っておきますと、TOEICで700点とろうと800点とろうと、英語で話すのはかなり厳しいです。
TOEICは読みと聴きだけですから。
もちろん、TOEIC高得点の人の方が会話の学習効率が高いとは思いますが。
私はTOEIC800点以上行った段階でオンライン英会話スクールのレアジョブ
を利用し始めましたが、笑えるぐらい喋れなかったです。
あと、ここまでよっぽど気をつけて勉強していない限り、発音の悪さを実感するはず。
通じないときには発音書籍を再学習です。
会話の場数を踏みつつ表現を身につけていきましょう。
自己紹介もままならない状況であれば、英会話ペラペラビジネス100- ビジネスコミュニケーションを成功させる知的な大人の会話術という本がお勧め。この本に出てくる100個の表現を身につけると、かなり会話が進めやすくなります。
交流する相手を見つけるためには以下のようなサイトがあります。
オンライン英会話スクールを利用するのも良いと思います。安いところは月に数千円ですので。
6.ネイティブな英語に触れる(30〜40時間)
ここまで色々な教材を紹介してきましたが、実際にネイティブな方々が話す英語はこれらの数倍聴き取りづらいです。
たとえSkype等で普通に聴き取れているとしても、それは相手がスピードを落として喋ってくれているからだと思います。
もしも将来的に英語のニュース番組等を聴けるようになりたいと考えているなら、実際にネイティブレベルの英語に触れてどんなものか知っておきましょう。
別にそんな将来を思い描いていないとしても、ネイティブなスピードに慣れると他のリスニングもかなり聴き取りやすくなりますよ。
お勧めの教材はThe NEWSHOURリスニング—NHK BS英語ニュースを聴きこなす。
ディスカッションやインタビューを通じて時事問題について考えるアメリカのニュース番組の本です。
ニュース番組と聞くと堅苦しそうですし、まあ実際堅い内容なのですが、かなり興味深いことについて討論されています。
リスニングの教材ですが、リーディング教材としても充分面白いです。
二冊発売されていますが、まずは一冊目だけで良いと思います。
一冊やって興味があれば、二冊目もぜひ。
私もまだ一冊目だけしかやっていないのですが、いずれ二冊目も購入する予定です。
私は
といった感じで進めました。
ネイティブな英語に触れるのは、別に書籍を買わず、インターネット上にあるものでもいいとは思います。
ただ、音に加えてさらにスクリプトと訳がセットになっていないと勉強が厳しいかなと個人的には思います。
一応、興味のある方向けに、以下、私のお勧めのポッドキャスト。
- English as a Second Language Podcast:英語学習用ポッドキャスト。かなり聴き取りやすいですし、語彙も限られていて、そして内容的に面白いです。
- VOA News - VOA Special English - Podcasts:アメリカのニュース局Voice of Americaによる英語学習者向けニュースポッドキャストです。
- NewsHour with Jim Lehrer Podcast | PBS:ディスカッションやインタビューを通じて時事問題について考える番組NewsHourのポッドキャストです。
- CNET News Daily Podcast:コンピュータ系の話題なので、ネットを頻繁に使う人は知っている単語がたくさん出てきて馴染みやすいかと思います。
- CNN News Update:アメリカの放送局CNNのポッドキャストです。更新頻度高いです。
- BBC World Service Global News:イギリスのBBCニュースのポッドキャストです。更新頻度は高くないですが、一つ一つが長いです。
- NW English News - NHK WORLD RADIO JAPAN:NHKによるポッドキャストです。聴きやすいので、上に挙げたポッドキャストが難しいと感じた人にはお勧めです。
以下、お勧め動画サイト。
- TED: Ideas worth spreading:様々な分野の専門家による講演を見ることができます。全部ではないようですがスクリプトもついています。日本語訳を希望する方はこちらをどうぞ。
- yappr:アニメやニュース、演説等、色々な種類の動画が掲載されています。日本語訳のあるものとないものがあります。
- Academic Earth:有名大学の講義を見ることができるサイトです。講義の種類は多種多様。日本語訳はないです。
- EnglishCentral.com:発音チェック機能付きの動画サイトです。
- Yahoo! Music:洋楽プロモーションビデオ/ミュージックビデオを見たい方にお勧めです。話題の動画だけではなく、過去の動画も多数掲載されています。
7.TOEICに向けて(15時間〜25時間)
上述しましたTOEICテストこれ1冊で全パートをモノにする―500点~860点突破のための解法テク&実戦問題のPART5の部分以外もやりましょう。
PART3、PART4における問題の先読み、PART2における一語目を絶対に聞き逃さないといったことを意識していないと本番の点数は50点〜100点、平気で変わると思います。
あと、本番形式の模擬問題集も絶対にやりましょう。
きちんと時間を計って。
TOEIC試験の何が難しいって、文法でも単語でもなく、時間が足りないことです。
リーディングなんて75分で100問解くわけですから、1問に1分もかけられないんですよ。
時間配分だけはしっかり身につけておきましょう。
最も本番形式に近いのはTOEICテスト新公式問題集なのだと思いますが、本番より難易度が低い気がするんですよね。
気のせいかな?
私はVol.3しかやっていないんですが。
ちなみに、公式問題集は試験に慣れるという目的であればとりあえず最新の一冊だけでいいと思います(現時点ではVol.4)。
まとめ
勉強をする上で最も大事なのは、考えながら進めることです。
「単語力が足りないから単語勉強の時間をもう少し増やそう」
「リスニングに慣れたいから英語のポッドキャストを聴こう」
そんな風に考えながら進めるからこそ身につくし、楽しい。
今回、勉強の参考例を記述しましたが、大事なのは、ただこれに従うことではなく、これを参考にしつつ、あるいはまったく参考にしなくてもいいから、とにかく考えること。
自分に最適な勉強法は自分にしかわからない、そう思っています。
皆様が考えながら楽しく勉強を進められますように。
おまけ-TOEICについて-
今さら私が言うまでもないですが、TOEICができるイコール英語ができる、ではありません。
TOEICができればいいみたいな考えはまったく持っていません。
ただ、結果が合否ではなく点数であること、年に受けるチャンスが複数回あること(最大8回)、受験料がそれほど高額ではないこと、履歴書に書けること(TOEICの点数と英語力を直接結びつける企業はそう多くないとしても、足切り代わりに使われることは多いです)……
色々なメリットを考えると、モチベーション維持としては充分な試験なのではないかと思います。
申し込みはインターネット経由がお勧めです!
なぜなら、郵送よりも一週間程度早く結果が出るから!!
結果が出るまですっごいもやもやするので、早い方が嬉しいかと。
(インターネット申し込みの際にオンライン上で結果を見るかどうかみたいな選択項目があります。正確な選択肢名忘れましたが、"見る"を意味する方を選択しましょう。)